1 あかみ ★ :2021/09/15(水) 13:00:42.22

 問題のシーンは1点を追うヤクルトの9回一死一、二塁からの攻撃で起きた。代打・川端の二塁ゴロを処理した堂上は、一塁走者にタッチしようとしたが、逃げられたため一塁へ送球。打者走者の川端はセーフとなり、その後、一塁走者の西浦を巡ってのランダウンプレーが始まった。遊撃手の京田が、一塁手の福田の声による指示もあって、途中、二塁ベースを踏んでフォースアウトをアピールしたが、嶋田塁審は何ひとつジャッジを示さなかった。
 そのためランダウンプレーが継続し、二塁走者の古賀が本塁に突入したがタッチアウト。二死一、二塁から試合が再開されようとしたが、与田監督のリクエストにより、京田のフォースプレーが認められ、併殺が成立して試合終了となり、納得のいかない高津監督が約14分間の猛抗議を行っていた。当然の抗議である。もし嶋田塁審によるアウトのコールがあれば、その時点でランダウンプレーも終了しているわけでタイミングを見計らって古賀が本塁に突入するようなプレーは生まれなかった。つまり二死一、三塁からプレーが継続していたのである。
 昨年まで阪神で7年間コーチだった評論家の高代延博氏は、「打者走者がアウトで、タッチプレーが必要だと勘違いしていたのではないか」と、嶋田塁審がアウトをコールしなかった理由を推測していたが、混乱の起きた原因は、まさに、その通りだった。
 打者走者がアウトであれば、タッチプレーが必要となるため「アウトだと思い込んでいた」という嶋田塁審は、京田が二塁ベースを踏んだフォースプレーに対してアウトをコールしなかったのである。

 キャリアのある嶋田審判が、タッチプレーか、フォースプレーかの判断を下す上で重要な打者走者のセーフ、アウトの判定を見落としていたということはありえない。
 二塁ベースの内側にいたため、ポジション的には、一塁の塁審は視界に入っていたし、まして、その後、一塁手の福田が大きな声で二塁でフォースアウトにすべきことを指示しているのだ。
「パニックになっていた」との説明もあったそうだが、おそらく、中日の守備陣が、すぐにフォースプレーをせずに複雑なランダウンプレーを継続させたので、混乱してアウトだと思い込んでしまったのだろう。
 不手際を起こした嶋田審判へのペナルティは口頭での厳重注意だけで済まされるそうだが、事実上の“誤審”である。ヤクルトへの謝罪と、この“”極甘”ペナルティだけで済まされる問題なのだろうか。
 二死一、三塁から試合を再開していても、ヤクルトが同点、あるいは逆転していたかどうかはわからないが、ヤクルトは重要な優勝争いの局面の中で1敗を喫し、なにより人数制限がかけられた中での貴重なチケットを持ってバンテリンドームに駆け付けたヤクルト、中日の両軍のファンを試合終了後もスタンドで待たせるという“迷惑”をかけた。責任審判の丹波球審の場内アナウンスも説明不足で、興行の価値を著しく損ねた。リクエストの導入から、誤審は減ったが、今回の一件で審判の権威、信頼は失墜したと言える。
 そして報道によると、そもそも嶋田審判は、試合後に「(京田が)ベースを踏んだことは確認していない」と語り、そういう説明はしていなかった。この日の事情説明によると、「確認していなかった」のは、フォースプレーではなく、打者走者のアウト、セーフだったということになるから、この事後の対応も問題だ。

 リプレー検証を行っている最中に、審判団内でどんな話し合いが行われていたのだろうか。二塁塁審だった嶋田審判に「なぜアウトコールをしなかったのか?」の確認はしていたのだろうか。もし、ここで嶋田審判が、正直に「パニック(混乱)となり打者走者をアウトだと勘違いしていた」と語っていれば、抗議に来た高津監督への説明の仕方も、ファンへの場内アナウンスも違っていただろう。
 公認野球規則の「審判員の裁定」の項には、「審判員が、その裁定に対してアピールを受けた場合は、最終の裁定を下すにあたって、他の審判員の意見を求めることはできる。裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除いて、審判員は、他の審判員の裁定に対して批評を加えたり変更を求めたり異議を唱えたりすることは許されない。審判員が協議して先に下した裁定を変更する場合、審判員は、走者をどこまで進めるかを含め、すべての処置をする権限を有する」とある。
 ただ「審判が二塁アウトのジャッジをしていれば本塁突入はしなかった」の“推定セーフ”を採用して本塁タッチアウトを取り消し、二死一、三塁から試合を再開するのには無理がある。アウトのコールはなかったが、フォースアウトは成立していたのだ。試合を再開すれば中日側が黙っていない。
 人が裁くのだからミスは起きる。だが、その後の対応に問題は残った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3648693f5803c56671c0c1b15b7722abb43214db


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