プロ野球12球団で唯一、FAで獲得した選手がいない広島カープ。生え抜きの選手を中心に、16年からセ・リーグ3連覇を果たした。ドラフトで獲得した選手を12球団屈指といわれる育成力で成長させてきた。2000年以降のドラフト史を振り返り、「神ドラフト」「残念ドラフト」それぞれの年を探ってみた。
◆神ドラフト=2006年
【高校生】
1 前田健太(PL学園)投手
3 会澤翼(水戸短大付)捕手
【大学・社会人】
希望枠 宮崎充登(ホンダ鈴鹿)投手
3 上野弘文(トヨタ自動車)投手
4 青木高広(日産自動車)投手
5 中東直己(ホンダ鈴鹿)外野手
数ある当たり年でも、06年が充実している。早実・斎藤佑樹の活躍で「ハンカチ世代」といわれたメンバーが集結した高校生ドラフト1巡目は、田中将大、堂上直倫、大嶺祐太、増渕竜義が人気で他球団に重複指名されたが、広島は前田の「一本釣り」に成功。前田は6年連続2ケタ勝利、最多勝2度、沢村賞2度と球界を代表する投手に成長し、16年からメジャーリーグで活躍している。
會澤も今や不動の正捕手。3年連続でベストナインに選ばれたほか、19年には侍ジャパンで控えの立場から持ち味の強打で正捕手を奪い、プレミア12の世界一に貢献した。大学社会人では、上野と青木が中継ぎとして、中東もバイプレーヤーとして、1軍の戦力となった。
ほかには07年も人材の宝庫だった。丸佳浩がブレークし、安部友裕、小窪哲也、松山竜平と3連覇の中心選手が入団した。大竹寛、石原慶幸、天谷宗一郎の01年、野村祐輔、菊池涼介の11年、大瀬良大地、九里亜蓮、田中広輔の13年と、当たり年が多い。
◆残念ドラフト=2003年
1 白濱裕太(広陵)捕手
3 比嘉寿光(早大)内野手
4 尾形佳紀(ホンダ)内野手
5 仁部智(TDK)投手
03年、地元の大きな期待を受けた白濱は正捕手をつかむには至らず、尾形は故障に泣き、4人とも期待にこたえられなかった。ほかには00年も広瀬純が唯一奮闘したくらいで、ハズレ年だった。
【まとめ】
広島のドラフトは独自路線で「一本釣り」の成功が多く、また1度のドラフトで複数名の主力級が出る年が多い。ドラフト戦略として、選手の能力はもちろん性格を重視。育成の基盤が猛練習にあるだけに「練習しない選手、練習に耐えられない選手はとらない」(関係者)。伸びる人間性を見極め、預かった選手を育て上げてきた。
19年に丸が巨人へFA移籍したが、球界全体で見ればFA流出は少ない。自前で育てた選手に配慮し、大事にしていれば、たとえ出ていっても戻ってくるケースがある。メジャー挑戦した黒田博樹、阪神にFA移籍した新井貴浩の2人がまさにそう。16年、両ベテランの働きと存在感なしに、25年ぶりの優勝はなかった。
スカウトの眼力と育成力、そして「カープ愛」が3連覇した強さの源にあるのかもしれない。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
(出典 news.nicovideo.jp)
その年のドラフトは成功か失敗かは数年後にしかわからないので面白い。
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